帷子ドッジボール大会2019

ONE TEAM

2019年の流行語が「ONE TEAM」に選ばれた。ラグビーのワールドカップで魅せた日本代表の快進撃が、日本人の心を一つにしてくれた証だ。

私は高校生の頃にラグビーをやっていた。その時からラグビー観戦が大好きだけど、あの頃の日本と諸外国の差は大きかった。ちょっとドッジボールに例えてみるなら、外国チームは小学生高学年で、日本チームは低学年くらいの差があった。ドッジボールにおいて低学年チームが高学年チームに勝てるわけがない。

しかし、前回・今回のワールドカップでは違った。「チーム力」を極限にまで高めた低学年チームの日本は、高学年チームの外国勢を破り劇的なまでの勝利を飾った。

他国を凌駕する完璧なまでのチーム力を同じ日本人として誇らしく感じ、熱く胸を打たれた。

あのワールドカップから約1ヶ月。今回の帷子ドッジボール大会で、我が地区の小学生チームが「ONE TEAM」の感動を再現してくれた。

小学生の部

試合の模様の前にメンバーについて。

私達の地区の小学生とママさん達は今年4月からドッジボールサークルを開設。私と竜もメンバーに入れてもらった。そこでは月に2回程度、小学校の体育館を借りて練習してきた。練習と言うより皆で楽しく遊ぶ程度。私は仕事の都合上、月1回そのサークルに竜と鉄平を連れて遊びに行っていた。

だから、チームの小学生がどんな子たちか分かっている。個性が溢れていて良い子たちばかりだ。

10月の後半くらいになると、12月1日の試合本番へ向けてチームを編成した。 小学生は「高学年」「低学年」の2チームに分ける。ベストメンバーの高学年チームと、低学年チームには5年生の男女が1人づつ参加。その2人がチームのまとめ役になっていた。

本番まで1ヶ月となる11月には7回くらい練習した。この時は完全に練習。遊びじゃなかった。誰かが好き勝手に遊ぼうとすると、いつもは好き勝手に遊んでる3年生の男の子たちが「今は遊ぶときじゃないぞ!!練習だぞ!!」と熱く取り組んでいる。ある子は「ドッジボールノート」というのを作って、自分がやるべきことをまとめていた。特に低学年チームが熱い。

高学年チームは運動神経の良い子たちばかり集まっている。投げれば大人だって当てられるし、キャッチも上手。もちろん練習も一生懸命だ。

低学年チームは練習を一生懸命プラス集中力が高い。5年生の女の子を中心に大きな声も出ている。練習が終わるたびに円になって集まり、良い点や悪い点、これからどうするかを話し合う。大人がいなくても子供だけで行うという自主性もすごい。

高学年チームとの練習では毎回負けていた低学年チーム。体格や個人技の差が大きいから当然だ。だけど試合の内容やチーム力では低学年チームのほうが良かった。

私は練習から家へ帰ると毎回「低学年チームが強いんだって!!5年生の子がチームを上手くまとめてて、大人よりすごいよ!!」って嫁に興奮気味に話してた。嫁からは毎回「ふーん」…

いよいよ試合当日。

高学年チームは圧倒的に強くて危な気なく予選リーグを突破。低学年チームも1回負けてしまったけど予選リーグを突破。

いざ決勝トーナメント。

なんと、1回戦目で我が地区の小学生チーム同士が当たることに…

こんなの想定外。どっちを応援すればいいんだか。両方のチームに子供がいるママさんも何人かいる。どっちに転んでも複雑な心境。

そして試合開始。

なんだろう、本番の試合なのに小学校の体育館で練習をしているかのような錯覚に陥った。お互いに変な緊張感はなく、気負うでもなく、ゲームに集中している。練習では一度も勝ったことがない低学年チーム。私も嫁に「低学年チームが強いんだって!!」と言ってたけど、心のなかでは「高学年チームが勝っちゃうだろうから低学年の子たち可哀想だな」って思ってた。

前半戦終了。なんとポイントは同点!!

一緒に観戦していた嫁。毎回「ふーん」っていう素っ気ない返事をしていたのに、このゲームを観てエキサイト「すごいじゃーーん!!」

後半開始。

低学年チームは皆で大きな声を掛け合っている。次に何をするべきか、その声を通じて一人一人が理解している。おっきな声を出しているからかチームも勢いに乗ってきた。

なかでも低学年チームに入った5年生の男の子。「ドッジボール苦手なんだ」ってよく私に話しかけてくれてた。確かにどう見ても運動神経の良い方ではない。思いっきり投げて、外野から内野へやっとパスが届く程度の気が優しい彼。真意は分からないけど、多分チーム編成のときに「僕がいると足引っ張っちゃうかもだから」っていう遠慮もあって低学年チームに入ったのかもしれない。

そんな気の優しい子が、顔を赤くして大きな声でチームに活気を与えてる。自分の役目はボールに触ることより大きい声を出して盛り上げることだ。そんな思いからか一生懸命に叫んでいる。

勢いに乗った3年生の男の子たちが、高学年の子たちをバンバン当てる。

その勢いのままに試合終了。なんと、練習では一度も勝ったことのない低学年チームの勝利。大人たちもみんなビックリ。私も嫁もビックリ。「すごいね、すごいね」の連発。

試合が終わり両チーム整列して挨拶。やっぱり身長差が大きい。低学年の小さな子たちが、よくこんな大きな子たちに勝ったな。ラグビー日本代表がスコットランドを破ったときの感動が蘇る。

と同時に、高学年チームの子たちの気持ちを考えると胸が痛い。泣いちゃってる子もいる。私も泣いてしまいそうだ。

今振り返ると、帷子ドッジボール大会の大人の部・子供の部を含めて、この試合が一番内容が良かったし白熱した。

そして、低学年チームは準決勝へ。整列して挨拶をする。もちろん相手は高学年が主体のチーム。またしても身長差がすごい。勝てるかな…

ちょっと不安になる。

そんな大人たちの不安を低学年チームは吹き飛ばしてくれる。大きな子たちが相手でも物怖じしない。堂々と、大きな声を出してチームに流れを引き寄せる。小さな子が大きな子たちを当て続ける。

また、当てられても前だけを向き続けて一生懸命に戦っている。大きな声でチームを励ます子、逃げて逃げて逃げまくる子、積極的にキャッチする子、チームの軸となって前線に立ち続ける子。それぞれが自分の役目を一生懸命に全うしている。まさにONE TEAMだ。

私も大きな声で応援していた。試合終了が近づく。なんか勝ちそうだ。すごい!!

また大きな声で「頑張れーーー!!」と叫ぼうとするが、涙が出そうで声にならない。

接戦の末、本当に勝ってしまった。すごい。次は決勝戦じゃん!!!

子どもたちのキラキラした笑顔。すげー眩しい。皆メチャクチャかっこいい。

ちなみに低学年チームに我が息子の姿はないんだけどね。しかも応援にすら来ない。選手控室で友達とずーーーっと遊んでる。半年前は「大人になったらドッジボール選手になる!!」って意気込んでたのにな…

さあ、決勝戦。相手は予想通り、近所でも評判のスポーツマンが集まるチーム。みんなデカイ…

結果は大敗。でも全滅はしなかった。このチームと当たった所はほぼ全滅させられてたのに。低学年チームは最後の最後まで諦めていなかった。そこがカッコいい。決勝戦では負けてしまったけど、納得の準優勝!!

それでも負けちゃって泣いてる子もいた。その気持ち。将来が楽しみだね。

一般女子の部

こちらも小学生チームに負けないくらい練習していた。チームワークも良い。でも、去年は予選で敗退している。今年はどこまで行けるんだろう。

予選は圧倒的な大差で突破。すごく強いじゃん!!!

準決勝も勝ち進み、決勝戦へ。

女性チームの集中力と体力がすごい。相手のチームは若い。高校生と20代がメイン。しかも去年の優勝チーム。

我が地区の女性チームは、外国人助っ人並に強力な中高生がいるものの、30代がメイン。

若さVS母親パワーの戦い。

結果は、集中力とチームワークの差で私達の地区の女性チームの勝利♪

去年の予選敗退から1年で優勝へ。大躍進!!!

一般女子チームもチーム力が高かった。おめでとう♪

一般男子の部

私も参加した。試合前には「力を抜いて、低めにコントロール良く行きましょう!!」「外野にパスしていきましょうね」って自ら言ってたのに。

試合が始まると熱くなりすぎて周りが見えない、何も聞こえない。槍投げみたいに大振りで投げてしまうから球が浮く。外野へパスなんて頭から消えてた。目の前にいる相手しか見えない。なんならボールを投げずにそのまま持って走ってタックルへ行ってしまいそうな勢いだ。38歳にもなって、冷静さのかけらもない。反省。

そんな中でも、モンスター級の中学生と冷静なチームメイトのおかげで予選リーグ突破。

決勝トーナメントは4チームだけ。初戦が準決勝になる。それは昨年と同じ。昨年はここで負けてしまった。

今年こそは勝って決勝戦ヘ進みたい。なんと対戦相手は昨年と同じ地区のチーム。悔しいけど、このチームが強い…

まず、エースの運動神経がメチャクチャ良い。メンバー同士の仲も良さそうで、連携プレーまでしてくる。なにより平均年齢も若そうだから体力がある。

対して私達の地区チームは、中学生が2人いるものの、他は30代後半から40代後半。メンバー同士も昨年の大会以来、ほぼ1年ぶりの再開。「お疲れさまです、昨年はどうも」っていう硬い会話。チームワークとは程遠い…

それでも同じ地区の小学生たちや、女性チームの皆が大きな声援を送ってくれる。皆で精一杯頑張るけど、おじさん達の体力も限界。気持ちだけは前に出るけど体がついてこない。

対して、相手チームは落ち着いて連携プレーをしてくる。疲れを微塵も感じさせない動き。

結果、全力を使い果たしたが負けてしまった。

お疲れ様会

一般男子チームが3位、小学生低学年チームが2位、そして一般女性チームが優勝。

この成績は自治会発足以来の快挙らしい。自治会長から感謝の言葉を頂き、祝勝会を開いてくれるらしい。

その祝勝会を楽しみに、試合終わり当日は集会所でお疲れ様会。

一般男子チームの親父たちだけで、初めてお酒を飲んだ。もちろん負けた試合の話になる。2年連続で同じ相手に負けたんだから、みんなも悔しそう。自然と相手エースの話になる。なにせ、運動神経抜群・ゲーム中に落ち着きがある、そして男前ときている。なんだろう、お酒がいい感じで入った私達は、ゲームに負けた悔しさを通り越して相手エースが男前だったことに対して怒りを覚える。酔いも回って、来年の目標は試合に勝つとかじゃなく「打倒エース!!」っていうことでまとまった。

連絡網として一般男子だけのライングループも作った。それぞれ仕事があるから一緒に練習は難しい。だけど親父たちがONE TEAMになるために必要なのは一つだけ。

お酒だ。チャンスがあればまた一緒に飲みましょうってことで解散。

ほんとは小学生たちに「頑張ったねー」「かっこよかったよー」って話したかったけど、親父たちだけで飲んで終わるお疲れ様会だった。

とにかく、同じ地区の大人も子供もONE TEAMになれる帷子ドッジボール大会は本当に素晴らしい。開催してくれる関係者の方々には感謝しかない。

以上。



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