青春小説を読んでメンタル回復

以前は司馬遼太郎の小説ばかり読んでいた。

しかし、ここ数カ月は青春小説を読むことにしている。なにもやる気がしない、なんか楽しくないっていう気持ちを、ぶっ飛ばすため。

良い青春小説を読むと、魂に火が付く。その本を読み進んでいる間は、熱い人間になれる。何でも出来そうな気分になる。

私が良かったと思う青春小説を6作品、並べる。

白をつなぐ/まはら三桃

全国都道府県対抗男子駅伝が題材。この駅伝は、都道府県を代表して参加する中学生から社会人までの7区間でタスキをつなぐ。

描かれているのは福岡代表チーム。各年代の様々な心情が面白い。葛藤であったり、目標であったり、誇らしさであったり、駅伝でタスキをつなぐ理由は人それぞれだ。

昨今、「怪我をしながらでもチームのために無理やり走らされている」なんて言う風潮もある。私は、そう思わない。選手生命をかけてでも、そのタスキをつなぐ決意があるから、観ている私たちは感動する。そして、その駅伝というスポーツを選んだのは選手たち自身だ。周りがゴチャゴチャ言う事ではない。

選手たちがタスキをつなぐ理由は、チームだけのためじゃない。例えば、家族であったり、恋人であったり、恩師であったり、支えてくれた人たちへの恩返しかもしれない。それを、タスキをつなぐ行為として表現しているのかもしれない。歌や文章などで感謝を表現する人もいる。駅伝選手は、それを一生懸命にタスキをつなぐことで表現する。

この小説を読むと、そんな目で駅伝が観られるようになるかもしれない。

まはら三桃

  • 1966年生まれ
  • 福岡県出身

風が強く吹いている/三浦しをん

箱根駅伝が題材。ひとつの寮で生活する大学生が、箱根で走ることを目指す。

10人で走る箱根駅伝。そのうち8人は長距離の素人。アフリカからの留学生も含む。

10人の持っている想いが、それぞれ味がある。

無謀なことにチャレンジする楽しさ。それに付き合ってくれる仲間。その仲間がつなぐ襷の重み。

読んだ後は長距離を走りたくなる。

三浦しをん

  • 1976年、東京生れ
  • 早稲田大学第一文学部卒業
  • 2006年「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞
  • 2012年「舟を編む」で本屋大賞

あと少し、もう少し/瀬尾まいこ

中学校の駅伝大会が舞台。

この作品も、陸上部以外からの寄せ集めが多い、6人チーム。

陸上部のキャプテン、自分に自信のない子、不良の子、八方美人の子、頑固な子、期待のホープの子。

どの子も個性があって面白い。

1区から6区までの、6章で構成されている物語。それぞれの区間を走る子の目線で文章が書かれている。物語の構成が面白い。

周囲から持たれている印象と、その子が本当に思っている事の違い。仲間とのすれ違いを、それぞれの立場から感じることができる。もどかしい。青春だ。

特に、不良の子のチャプターでは泣けた。

瀬尾まいこ

  • 1974年、大阪生れ
  • 大谷女子大学国文科卒業

レイジ/誉田哲也

中学生の頃、一緒にバンドを組んだ2人の少年。そのバンドはすぐに解散し、2人は別々の人生を歩く。

しかし、2人とも音楽に関わって生きていくことは共通していた。

交わりそうで交わらない2人。

成人し、家族を持ち、それでも必死に音楽に寄り添う。

そんな大人になった2人が、再び青春のステージを踏むことができるのだろうか?

誉田哲也

  • 1969年、東京生れ
  • 学習院大学経済学部経営学科卒業
  • 「武士道シックスティーン」
  • 「ストロベリーナイト」

階段途中のビッグ・ノイズ/越谷オサム

高校の軽音楽部が、文化祭でのステージを目指すストーリー。

グリーンデイの曲が登場する。私の青春時代に流行った曲。音楽をイメージするだけでタイムスリップできる。

あの頃、バンド活動してる人たちを見て憧れてたっけ。

分かりやすい、いかにも青春小説っていう物語。その直球さが、胸を熱くする。

30代の男性に、特にオススメ。

越谷オサム

  • 1971年、東京生れ
  • 学習院大学経済学部中退
  • 「陽だまりの彼女」

かがみの孤城/辻村深月

不思議の国のアリスのような雰囲気を持つファンタジー。

いじめられた中学生の少女。学校へ行くのが怖く、家に引きこもる。すると、部屋にある鏡が光り、手をかざすと謎の城へ。

似た境遇の中学生が、他に6人。謎のお城で過ごす中学生たち。

ファンタジー嫌いの私が、すっかりストーリーに引き込まれていた。

特に後半は、休むのを忘れて読み進めた。クライマックスにある、男の子と、そのお姉ちゃんの会話で号泣。

いじめられた経験のある人、社会から疎外感を感じている人、孤独を感じている人、私のように精神的に落ち込んだことのある人。読んでみて。きっと心に響く。

10代の子を対象にした小説っぽいけど、37歳のオヤジでも感動して号泣した。とにかく暖かい作品。

2018年の本屋大賞受賞。うん、分かる。

辻村深月

  • 1980年、山梨生れ
  • 千葉大学教育学部卒業
  • 2012年「鍵のない夢を見る」で直木賞

以上。



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